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N-gramとの比較
前回のブログで書いた風景と景観という言葉についていの分析(『名所の誕生―「名」を与えられた風景』所収)ですが、その要点の一つが、視覚的な眺めの受容を表す言葉として、戦前は「風景」という言葉が一般的に使われてきたが、戦後になり、それに代るように「景観」が主に使われるようになっ...
4月22日読了時間: 3分


風景と景観
以前このブログで、景観という言葉・概念がどのようにできたかを調べていることを書きましたが、その成果を含む論文を本の中に収録してもらいました。日本美術史の井戸美里さんが編者となった論集『名所の誕生―「名」を与えられた風景』(思文閣出版)です(下図)。タイトルでわかるとおり、名...
4月4日読了時間: 2分


穢れの消毒?
3月1日の研究会では、宮本美咲輝さんに公園墓地の成立経緯について発表してもらいました。日本で最初の公園墓地を計画したのは、東京市公園課長の井下清で、1923年に多摩墓地が開園されるが、その計画で参照されたのは、ドイツの公園墓地であったことなど、多角的な視点から、日本での公園...
3月15日読了時間: 2分


学術研究のモチベーションを支える仕事
3月8日に開催した土地と人間研究会では、エルメスジャポンの二人(説田礼子さん、横山優子さん)をお招きして「エルメス財団編『土 Savoir & Faire La Terre』を読む」というテーマで議論をしました。とてもおもしろかった。この『土』については、以前のこのブログ...
3月14日読了時間: 2分


風景にはかなわない建築
再放送の放映も終わったので、番組宣伝ではなく、改めて考えたこととして『京都画報』について。今回は、古い建物を活用したホテルというのがテーマ。老舗料亭(京大和)の修復をして、それを敷地内に抱き込んで新築したパークハイアット。任天堂の本社・住宅だったアールデコの建物をホテルとし...
2月20日読了時間: 2分


トランプの古典主義
トランプは、連邦政府が新設する建物は「人々の称賛を集める」古典主義建築が望ましいとする大統領令に署名した。トランプ1.0の時にも持ち出したものだけど、今度はもっと本気なのでないか。これは極めて興味深い。19世紀末の都市美運動の時代にバーナムが仕掛けたシカゴ博は、見事に古典主...
1月23日読了時間: 2分


「友愛」の力とは
先日、12月22日に、「歓待インフラ」研究会の東京ラウンドテーブルが開催され出席しました。テーマは「友愛と歓待」。歓待という着眼点のおもしろさについては、以前にも書きましたが、続いて友愛です。いずれにしても、人間の活動や空間を捉えるのに、こうした心情的な観点から見ようとする...
2024年12月27日読了時間: 2分


VFXがついに捉える空間のリアリティ
TBSの「海に眠るダイアモンド」がすごいのです。野木亜紀子の脚本がすばらしいし、キャスティングも、佐藤直紀の音楽もすばらしい。・・・しかし何よりもすごいと思わせるのは、空気感のようなものまで伝えている空間の映像です。もちろん、1950年代まで遡った端島(軍艦島)を描くわけで...
2024年12月16日読了時間: 2分


シン・いそざきろん
田中純著の『磯崎新論/シン・いそざきろん』を読みました。磯崎の作品・言説を田中純が読み解いた、800ページを越えるというチョー難解 ホークス な本を、某新聞社からの書評の依頼で読まされたのです。でも、けっこうおもしろかった。磯崎が反芸術の時代に建築を志したためアバンギャルド...
2024年12月15日読了時間: 2分


表象するものの存在が
10月13日に、テロワール研究の発展系として「土地と人間」研究会を開催したのですが、そこで小島見和さんが発表してくれたシャトーの成立史はとてもおもしろかったです。つまりですね、ワイン醸造所をシャトーと呼ぶようになるのは、19世紀後半になってからだと。それはあえてシャトーと呼...
2024年11月6日読了時間: 2分


生活の保存
札幌に調査に出かけたおり、半日時間が空いてしまったため、何十年かぶりに北海道開拓の村に行ってきました。野外建築博物館で、53もの建築が移築保存されているのですが、特徴は庁舎建築から庶民住宅まできわめて多様な建築を見ることができることです。とりわけ派出所や商店、農家、炭焼小屋...
2024年9月24日読了時間: 2分


Vieux Parisの衝撃
先日、六録楼でテロワール研究を発展させた研究会の準備会を開催したのですが、そこで上智大学の坂野さんが報告してくれた、Vieux Parisの話は驚きました。Vieux Parisは、1900年のパリ万博で、2つの大きな会場を繋ぐ、セーヌ川沿いに作られたアトラクション(商業)...
2024年8月23日読了時間: 1分


あらためて「景観」
ちょっと故あって、景観という言葉・概念がどのようにできたかを調べています。これがけっこうおもしろい。景観という言葉は、植物学者の三好学が 19世紀末ごろかドイツで議論が高まっていたLandschaftという概念に与えた訳語であるとされています。1910年代のことです。でも、...
2024年7月10日読了時間: 2分


歓待インフラ
テレビ番組(京都画報)の力を借りて、何十年ぶりかに大丸ヴィラを見てきました。大丸の社主だった下村正太郎が英国のリバティ百貨店のチューダー様式を気に入って、日本に帰ってきて建築家・ヴォーリズに設計を依頼して建設したという洋館。間違いなく、日本の洋館建築の中でも、最も優れたもの...
2024年6月6日読了時間: 2分


ポツンと残ったビルが語ること
先日(5/23)の都市空間編成研究会ですが、荒木菜見子さんが住総研の研究助成を受けて進めている、年金福祉事業団が戦後行った事業協同組合の融資制度で建設された、共同住宅10例を歴史的な視点から調べるという研究の報告でした。このように書くと、なんとも地味で退屈な報告であったよう...
2024年5月31日読了時間: 3分


エルメスと「土」
エルメスの本です。 と言っても、ファンション関係の本ではないのです。もともと職人工房に由来し創立されたファンションブランドであるエルメスは、芸術や環境問題などに関わるさまざまな文化プロジェクトを支援するエルメス財団を運営しています。その活動の中で、さまざまな素材をめぐる革新...
2024年5月9日読了時間: 2分


伊東ハウス
写真は、台北の南港で見つけた看板です。伊東豊雄ハウス?。 南港はいま大規模な開発が進む地区で、住宅建設も盛んです。そこに伊東豊雄設計の戸建て住宅が進み、その看板ということでしょう。以前から台湾では、伊東豊雄は著名な建築家でしたが、台中のオペラハウス(2015年)以降は、その...
2024年4月13日読了時間: 2分


ジレンマかトリレンマか
今回、石田純一郎・安箱敏両先生による1940年代のソウルおよび京仁地方における住宅地造成に関する研究発表(2月21日)と、廉馥圭(ヨム・ボッキュ)先生をお迎えしたご著書『ソウルの起源―京城の誕生』(明石書店)の内容についての講演会(3月8日)を実施しました。二つの話は、植民...
2024年3月19日読了時間: 2分


構造とエリア
たまたま、それぞれ別の用事(調査)で、山形と甲府に行きました。そうです、三島通庸(山形)と藤村紫朗(甲府)です。二人は、公共建築建設と都市設計に情熱をかたむけた(普請道楽とも言われた)県令、県知事として知られています。しかし、現在の街の姿は、まったく違ったものになっていてお...
2024年2月25日読了時間: 3分


オーディナリー文化財
今回の能登半島の震災では、多くの伝統的な木造住宅がつぶれました。今回の震度ではしたかないことでしょうが、気になるのはその後の再建です。上空から写真などを見る限り、木造住宅の多くがまだ伝統的な工法で建てられたもののように見えます。それらが壊され、それを再建しようとする時に、も...
2024年1月16日読了時間: 3分
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