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駅前プロムナード

  • pafumars
  • 2023年10月19日
  • 読了時間: 2分

 弘前に史料調査に行ってきました。弘前は、近代建築の宝庫です。むかし京都の聖アグネス教会を調べた時に、それがガーディナーの設計であることを見出したのですが、同じような日本的ゴシックとも言える形式の弘前昇天教会も見たいと思っていたのが、ようやく叶いました。おそらく明治中頃までは日本中に建てられたはずの土蔵的洋館の傑作・旧第五十九銀行本店本館(青森銀行記念館 )も完璧に残っていて、すごい。圧巻でした。しかし、そうした近代西洋建築がたくさん残っているということは、都市としての戦後の発展があまり進まなかったということを示しているのですよね。どこかで時間が止まったような街に見えます。

 しかし、そのことをうまく使っているなと思ったのが、駅前から土手町に至る遊歩道「えきどてプロムナード」でした。少し曲がりくねった遊歩道なので、古くからの街路を再生させたのかと思ったら、平成になってから行った駅前の区画整理の際に、新しく造った遊歩道なのですね。それ以前の駅前の地図を見ると、駐車場や空地がたくさんあります。つまり空間が埋まっていなかったのです。そこで大胆な遊歩道を造って、それを演出的に「プロムナード」にしたわけですね。そして驚くのは、その沿道に建設される建物に規制をかけたことです。この図(「弘前駅前・上土手町地区計画」より)がその一部ですが、まるで台湾によく見られる亭仔脚のような形式で店舗が連担的に繋がるように誘導しています。亭仔脚は暑さ対策のためでしたが、こちらは雪対策(雁木?)でしょうかね。実際に歩いてみると、この誘導により、他の都市の商店街などには見られない独特の公園のような風景が展開されていて、とてもおもしろかったです。駅前からこうした余裕のある空間が伸びているというのは、都市として幸せなことなのだろうと。




 
 
605-0817 京都市東山区大和大路松原下ル弓矢町37
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